namiowelcomeの日記

ギターとバンドと映画と小説と私。たまにプログラム。

十字路で悪魔に魂を捧げ、Bluesのテクニックを得た伝説の人・こういう超メジャーアーティストはここではいいかな、と思っていたのだが、今回素晴らしいサイトを拝見し、関連付けて紹介しておこう。- Robert Johnson -

 "Robert Johnson" の名前を知らなくても、十字路(Cross Road)の名前は聞いたことがあるかもしれない。その伝説を知らなくても、Cream(Eric Clapton)Crossroads という曲は知っているかも。いや、それさえご存知なくても、Steve Vai が、映画「クロスロード」の中でギターバトルを演じたのを観たことあるかもしれない。

 いわゆる、Blues を大衆音楽に昇華させた元祖 の一人。いや、そんな肩書はどうでもいい。ただ今聴き楽しんでいる RockやPopularMusic がたどりたどれば彼に行き着くのは事実だ。(100 Greatest Guitarists | Rolling Stone で 2003年に5位だった彼が、2011年に71位、というのは悲しく愚かな話だが)。

 アコースティック・ブルース スタイル・・・
 演奏はたいして出来ないが、よく聴く。(主に風呂場、日曜の朝。)素晴らしく完成されている彼の演奏は、古さなど感じない。いつ聴いても心地よい気持ちにさせてくれる。

 世界中に彼の研究家がいて、豊富な情報が手に入る今だが・・・

とてもわかり易く楽しく、何より愛情感じる日本人のサイトが公開されたことを知った

キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ(期間生産限定盤)キング・オブ・ザ・デルタ・ブルース・シンガーズ(期間生産限定盤)

 1911年 ミシシッピ州生まれ、5月8日(※私の誕生日と1日違い・・・すみません)。レコーディングは2回、29曲のみと言われているが、その影響力はとほうもない。こんな私でも20代の頃から、事あるごとに彼の伝記ものをつまんだり、情報を探ったりはした。ただ、あまりに情報が多すぎるのか、噂や出来話も多く、なんか知っていそうで実はあまり良くわからないアーティストの一人だった。

 昔、P-ヴァインにお世話になったとき、Robert Jr. Lockwood のLIVEにスタッフとして同行したとき、打ち上げの席で、知ったかぶりに(若気の至りです)、カタコト英語で、Lockwood に、Robert Johnson の質問をした事もあったな。

Robert Johnson- Crossroad
 このあたりは、ほんと聴いてるだけでいっぱいになってしまう。その背景や歴史、隠れた逸話など面白そうことはたくさんあるけれど・・・まぁ、どうでも良くなってしまうんだ。
 でも、ずぅーっと 気になってた。

ブルース研究会の「林 正樹」さんという方が、素晴らしいサイトを3つも公開してくださった!

 facebook のグループで「ブルース研究会」というのに参加させて頂いているのだけど、先日次の3つのサイトを公開された事を知った。

  • ロバート・ジョンソンの人生
    ロバート・ジョンソンの人生
    彼の人生と逸話が、簡潔でわかり易い、読み物のような語り口調で記述されている。Wikipedia の情報からということだけど、逆にこの原稿をまるごと、wikipedia に登録していただきたいほどだ。とても楽しく読める。新たに知ったこともある。
  • ロバート・ジョンソンのギタープレイ
    ロバート・ジョンソンのギタープレイ
    こちら、本当に面白い。彼のギタープレイをとても丁寧に細かく紹介していただいて、私見だが、今までのどの ロバジョン本 よりも理解できた(・・・つもり)。実際にギターを引き寄せ試してみる気にもなったし。こちら、これからじっくりとまた読ませていただこう。チューニングから、彼の生み出した "ブギベース"、ピアノなど他の楽器や音楽からの移し替えの過程など、とてもわかり易く(おそらく誰でも)、ほんと、広く紹介したい内容だ。
  • ロバート・ジョンソンの歌詞
    ロバート・ジョンソンの歌詞
    そして、今回一番楽しく、もう時間忘れて見させていただいのが、このサイトだ。彼の曲のほとんどを、訳詞で紹介していただいている。これを見て「あぁ、おんなじことの繰り返しだけだね」って感じる方と、「おぉ、音楽の詩の原型がすべて収まっているね」と感じる方がいるだろうけど、私はただただ 単純に面白かった。
     そう、それは私が日本人であり、若いときから、洋楽(Bluesも含め)を英語の響きとしてずっと聴いてきたからだ。詩がわかる、それを音楽として一緒に感じることへのあこがれと楽しさを、また発見した気がした。
     そうか、こういう手もあったか・・・このブログでもまた真似させてもらおう。

映像と訳詞を少し並べさせていただこう。訳詞のある映像もあるけど、こうやった目視できるのはいいかも

 ほかのアーティストのカバーも同時に並べて、楽しめるようにしておく。
 ※林氏 にお許しも頂いて引用転載させていただきます。

Kind Hearted Woman Blues (1936)
Eric Clapton
Peter Green
Johnny Winter
(※訳詞:林 正樹氏)
やさしい心の女ってのをものにした 俺のためおよそなんだってやってくれる
やさしい心の女ってのをものにした 俺のためおよそなんだってやってくれる
でも、やつら、悪い女でね、俺の好きにはさせてくれないもんだ

俺はあいつを愛してるさ でも彼女は俺を愛しちゃいない
俺はあいつを愛してるよ ああ、でも彼女は俺を愛しちゃいない
あの女、本気で好きになっちゃったんだ、彼女を放っておくなんて耐えられないよ

およそたったひとつだけ
このジョンソン様が飲んだくれるわけはね
おまえが俺をあしらうさまを思い出しちゃあ辛いんだよ
それで考え始めちまったんだ
ねえ、あんた、聞いてるかい?
俺の生活は前とすっかり変わったような気がするよ
おまえはホントに俺の心を傷つける その何とかいう男の名前を口に出すたびに

彼女はやさしい心の女 いつもどんなひどいことするか考えてる
彼女はやさしい心の女 いつもどんなひどいことするか考えてる
俺を殺しとけばよかっただろ? 心の中ではそう思ってるんだろうし

いつか、いつか、おまえとは握手をして、おさらばだ
いつか、いつか、そう、握手して、さよならだ
もうおまえを愛し続けるのはやめるよ だって、単純に、何の満足もないんだから
I Believe I'll Dust My Broom (1936)
ZZ Top
Canned Heat
Robert Jr. Lockwood
(※訳詞:林 正樹氏)
これで明日の朝起きたらさ、きれいさっぱりここを出てゆくぜ
これで明日の朝起きたらさ、きれいさっぱりここを出てゆくぜ
なあ、あんた、そうすればお前の好きだっていうあの男が、あんたの部屋にいつくってことだろ

俺は手紙を出しまくるよ、知ってる街にかたっぱしから電話もかけまくるぜ
俺は手紙を出しまくるよ、知ってる街にかたっぱしから電話もかけまくるぜ
もしウェスト・ヘレナで見つからなきゃ、きっとイースト・マンロウあたりにいるだろうよ

俺は、ダウンタウンの男だれかれかまわず、ってな女はいらないよ
俺は、ダウンタウンの男だれかれかまわず、ってな女に用はないぜ
あいつはホントに性悪女だ あんな女はストリートを流すのを禁止してやらなくちゃ

俺は、とにかく、とにかく、故郷の家へ戻るよ
俺は、とにかく、とにかく、故郷に家へ戻るよ
ここじゃおまえも俺をひどい扱いだが、クニに帰りゃそうもいかないんだぜ

これで明日の朝起きたらさ、きれいさっぱりここを出てゆくよ
これで明日の朝起きたらさ、きれいさっぱりここを出てゆくよ
なあ、あんた、そうすればお前の好きだっていうあの男が、あんたの部屋にいつくってことだろ

俺は中国へだって電話するよ、俺のかわいい彼女があのへんにいるかどうか
俺は中国へだって電話するよ、俺のかわいい彼女があのへんにいるかどうか
それでもしフィリピン島で見つからなけりゃさ、きっと彼女、エチオピアかどっかにいるだろ
Sweet Home Chicago (1936)
Bonnie Raitt
Freddie King
Blues Brothers
(※訳詞:林 正樹氏)
ねえ、俺と一緒に行かないか
ねえ、俺と一緒に行かないか
カリフォルニアの土地に戻ってさ、懐かしい故郷のシカゴへ
ねえ、俺と一緒に行かないか
ねえ、俺と一緒に行かないか
カリフォルニアの土地に戻ってさ、懐かしい故郷のシカゴへ

さあ、1足す1は 2
2足す2は 4、だ
ここじゃ俺もひどく荷が重い、だから決めた、俺は行くよ
泣きたい気分だよ、ねえ、あんた 一緒に俺と行かないか
カリフォルニアの土地に戻ってさ、懐かしい故郷のシカゴへ

さあ、2足す2は 4
4足す2は 6、だ
いつまでもここでだらだら遊びまわったところであんたもどっかの商売女に持ってかれるってだけだろ
しかし、泣きたくなるよ、おまえ、一緒に俺と行かないか
カリフォルニアの土地に戻ってさ、懐かしい故郷のシカゴへ

さあ、6足す2は 8
8足す2は 10、だ
なあ、女が一度あんたをだましたらさ ぜったいまた同じことをするもんだ
しかし、泣けてくるよ、ねえ、一緒に俺と行かないか
カリフォルニアの土地に戻ってさ、懐かしい故郷のシカゴへ

俺はこれからカリフォルニアへ出かけるよ
そっからアイオワのデモインズへ行ってさ
あんたには俺の助けがいるって、誰かがきっと俺にそういうだろうよ
泣けてくるじゃないか、ねえ、あんた、一緒に俺と行かないか
カリフォルニアの土地に戻ってさ、懐かしい故郷のシカゴへ
Love In Vain Blues (1937)
Rolling Stones
Eric Clapton
Peter Green
(※訳詞:林 正樹氏)
スーツケースを持って、駅まで彼女についていった
スーツケースを持って、駅まで彼女についていった
ああ、とても言えない、とても、俺と彼女とはなにもかも終わったなんて
彼女との愛もむなしく終わった

汽車がホームへ入ってきたとき、俺は彼女の目を覗き込んだ
汽車がホームへ入ってきたとき、俺は彼女の目を覗き込んだ
ああ、とても寂しい、とても寂しい、泣き出さずにはいられなかったよ
彼女との愛もむなしく終わった

汽車が出て行った、あとに二つの光を残して
汽車が出て行った、あとに二つの光を残して
ああ、青い光は俺のブルース、赤い光は俺の心
彼女との愛もむなしく終わった

ああ、ウィリー・メイ
ああ、ウィリー・メイ
ああ、彼女との愛もむなしく終わった

 これめっちゃいいな。(自画自賛)。それぞれの曲が訳詞とともに、がんがん入ってくる。林 正樹さん、ありがとうございました。他の曲でもまややらせていただきます。

Blues ほんと奥深い。まだまだ色々な楽しみ方がありそうだ。

Me And The Devil Blues

 最後に、ほんとに Robert Johnson 好きなんだろうな。数多くのカバー出している Claptonの tribute 映像で。(林氏の訳詞付き!)

Eric Clapton -
Session For Robert Johnson
(※訳詞:林 正樹氏)
今朝早く、おまえがドアをノックしたとき
今朝早く、おまえがドアをノックしたとき
俺は言った「よう、悪魔か、出かける時間だな」

俺と、悪魔は、並んで、歩く
俺と、悪魔は、並んで、歩く
これからあの女を気のすむまでやりに行くんだ

彼女は言うさ、あんた、私をなんで嗅ぎまわってるか自分で分かってないでしょ、と
(なあ、あんた、それはお前が俺に不実だからだろうが)
彼女は言うさ、あんた、私をなんで嗅ぎまわってるか自分で分かってないでしょ、と
それは、その、深い地の底にいる、邪悪な魂のせいに違いない

俺の死体をハイウェイのそばに埋めたっていいんだぜ
(俺が死んじまったら俺をどこに埋めようが関係ないけどね)
俺の死体をハイウェイのそばに埋めたっていいんだぜ
そうしたら、俺の、その、邪悪な魂がグレイハウンドバスに乗ってさまようから

 

Robert Johnson に関わる 情報リンク ここにまとめていこ