魔法の指をもったギタリストを知っているかい? - Magic Sam -
未だにギターとバンドの面白さに囚われて、忙しくてもなんとかスタジオで遊べる時間を確保しようとしている。ブログをまた書き始めようと思ったとき、そんな私が尊敬しているアーティストの情報をまとめてゆこうと決めた。
(※自分がまとめて音源聞きたいときも便利なように、YouTubeのソースや参照リンクを多く貼ってます。)
最初に・・・
魔法の指を持ったギタリスト。その名も Magic Sam。
1937年生まれで、1969年には心臓発作(らしい)でこの世を去っていった。公式に出されたアルバムは2枚だけだけど、死後発売された「Magic Sam Live」が彼の評価を確実にした・・・ということだけど、亡くなったのは32歳。もう、絶頂期もいいときだよね。もったいない。初レコーディングが1957年だから10年ほどのアーティスト活動だったようだけど、その時の人気は凄まじいものだったらしい。写真は名盤「West Side Soul」
その人気ぶりは、死後発売されたLIVEアルバムでうかがうことができる。
「Magic Sam Live」音が割れてて、これを音質悪いという評価もあるようだけど、どうだろ? この熱気、エネルギッシュで身体が自然に踊りだしそうなグルーヴ。これこそ、LIVE盤そのものでしょう。このアルバム(当時はLPレコード)を何回聴いたことだろうか。もちろん今でもiPhoneに入れてよく聴きます。
間違いなく、ブルース、音楽の歴史に偉大な足跡を残したアーティスト
彼が、32歳の絶頂的にこの世を去らなければ、他の伝説的なミュージシャン、Jimi HendrixやJanis Joplinと同じようにもっと知られた存在であったろう。ブルースを聞く方で名前を聞いたことがないという人には会ったことはないけれど、音楽仲間でも「知らない」という方もたまにいたりする。ちと、残念。
ただ、音楽の本質を求めてプレイするミュージシャンの中には、彼をリスペクトする方も多い。かの「Mr.Big」のギタリスト、Paul Gilbert もその一人のようだ。彼はその超絶なギタープレイ(ほんとにギター好きなんだね。とにかく幅の広いプレイ)で、多くのミュージシャンやファンを魅了しているが・・・
驚いた。先日、彼が Magic Samの曲を演っている動画を YouTube で見かけた。しかも、私の大好きな「You Don't Love Me」。魅入ったことはもちろんだけど、とても嬉しかった。他にも2、3本 同じ「You Don't Love Me」の動画がアップれている。よほど好きなのか・・・まぁ、名曲だしね。
凄まじいブギ(ウギ)・・・だけじゃないんだ。歌声と繊細な秀逸なオブリガード
LIVE盤でも有名な彼の「ギターヴギ」。その魂を揺さぶられるようなビートには完全にノックアウトされるけど(古いな)、歌声もいいんだよね。そんなに悪の強い個性的な声ではないんだけど、聴いた後とても耳に残るんだよね。
そう、カッティングやリフ、歌を引き立たせるオブリガードがまた素晴らしい。特にリバーブを利かせた印象的なリフが素敵です。(?みたいな)
どんな人生だったんだろうね。うちの両親より4つほど年若。私が小学校上がったころに召されてる
米国・ミシシッピ州のグレナダというところで生まれ、13際のころにはシカゴに移住。あの「Syl Johnson」からギターを学んですぐにクラブ出演したらしい(Wikipedia から)
ずっと彼の名前「Magic Sam」は、「Sam's Boogie」などからの凄まじい指使いから与えられたものだと勝手に思ってたけど、本名「Samuel Gene Maghett」からなんだね。もちろんその演奏からも来てるのだろうけど。
Wikipedia他の情報から整理してみた。
1937 | - | ミシシッピ州グレナダで生誕 |
---|---|---|
1950 | 13歳 | シカゴ移住 |
1955頃 | 18歳 | シカゴのブルース・クラブに出演 |
1957 | 20歳 | コブラ・レコードへ初のレコーディング |
1959 | 22歳 | 兵役-脱走-服役 |
1960 | 23歳 | 音楽活動再開(チーフ・レコード) |
1966 | 29歳 | デルマーク/クラッシ レコーディング |
1969 | 32歳 | アン・アーバー・ブルース・フェスティバルへの出演 |
1969 | 32歳 | 心臓発作により急死 |
まさに駆け抜けていった音楽人生。もしそのまま活動続けてたらもっとおおきな影響を与え続けたに違いない。死後、ライブアルバム以外にもいくつもの編集盤が発売され、1995年には、Blues Music Awardにノミネートされている。彼を思慕する多くのアーティストによる「追悼コンサート」には、The Paul Butterfield Blues Band with Michael Bloomfield, Elvin Bishop, Nick Gravenites and Charlie Musselwhite などが出演したらしい。・・・音楽のほかに好きなことはあったのかなぁ。
いくつかの逸話を探してきた。想像すると近くにいるような気がする
- あのWillie Dixonさんの話:「ほとんどの若いもんは12小節の普通のブルースやっとたが、彼は違ったな。なんかアフリカのコミュニティから学んだらしい square dances や fiddle music に影響受け取ったわ」。そう、のちに「Sam's Boogie」なども生んだ “hillbilly style.”
- 20代のころ、cigar box guitars創って弾いていたらしい。
- おおきな影響を与えたアーティストには、Jeff Beck, Duane Allmanなどもいるって・・・そうでしょうそうでしょう。
- 最初、Good Rockin’ Samという名前を使おうとしたけど、他のミュージシャンが使ってたらしい。
- 彼のマネージャーは、彼のおじである"Shakey" Jake Harrisがいつもやってたらしい。
彼が愛用したギター
Epiphone Riviera Electric Guitar
まずは 赤のリヴィエラ。当時のものはン10万円だろうけど、一度手に入れたいものだ。セミアコ系はいま、Gibson の 335 持ってるけど(師匠から譲り受けたもの)。これはまた違う音を奏でるんだろうね。West Side Soul のジャケットに写ってるのがそうだよね。
Fender Stratocaster Electric Guitar
もう1本はこれ、クリーム色のストラト。Magic Sam Live のジャケットはこちら。なんか、絶頂期の清々しいサムのイメージにぴったり。音が聞こえてくるようだ。
日本製? Earl Hookerに借りた(?)レスポール
ジョン・リー・フッカーの従兄である「Earl Hooker」に借りたレスポールでの貴重な映像。レスポールは日本製だという情報があるけど本当だろうか? Earl Hooker も、サムの亡くなった次の年に召されている。いい友達だったんだろうね。どんな話をしてたんだろう?
あぁ、ギター弾きたくなってきた
いま彼のLIVEかけっぱなしで、この原稿書いてるけど、なんかほんとに身体が揺れちゃうんだよね。(誰もいないから、いいんだけど)。ここまでのグルーヴを出せるようになるのは一生かけても難しいのだけど、音楽の面白さ、素晴らしさ、Bluesの持つ味わい深さを教えてくれて本当に感謝してる。最高だぜ!サム!!